山里の昨日今日

一昨日の夜はベッドに入ってもほとんど一睡もできませんでした。昨夜は何とか１時過ぎに眠れました。ああ。

子供の頃から寝つきだけは良かったのに、この夏からいけなくなりました。疲れていても、眠れぬ夜が現れ始めたのです。更年期が原因とかで、辛い。見てくれもさらに酷く、頭はぼんやり身体はだるい。よって失敗が多くて情けない。同年輩らは睡眠薬を常用しており、一回り年上など数十年も服用とのこと。怖いなあ、それ。

そんなわけで、私は毎日の家事と制作と週４日の２つの仕事でせいいっぱい。近隣の「サル柿大学」のお誘いもいただいたのですが、もともと足も悪いし、とても参加なんてできる状態では…。
サル柿大学は一種の面白ネーミング。内容は猿害を未然に防ぐ活動で、有害鳥獣対策事業です。有志が該当の集落に入り、猿や熊より先に猿の餌となる柿の収穫をして、有害鳥獣を来させないようにするのです。採った柿は干し柿に。農業被害防止対策だけでなく、野生動物との共存も視野に入れた取り組みとのこと。
この頃は山村生活も自給自足とは既に程遠く、何もかもスーパーが頼り。どの家も大人の数だけ自家用車が並んでいます。さらに山里の高齢化が一層進み、山野の手入れをする人も居ない。かつては大切な食料であった、山や庭の柿や栗など、もはや誰も見向きもせず、ほったらかしですからね。
東京などからも参加できるそうで、興味が有る方は検索してみてください。

昨日と今日の束の間の晴れ、こちらは方々で稲刈りでした。長雨のせいで、田は田植えの時のように泥沼だとか。よって労力もたいへんなものだそうです。

犬めぇ猫めぇ

NIKO犬。
月曜。私が仕事に疲れて帰宅すると、いつものように媚び媚びと寄って来ず、耳を伏せ、目を逸らし、ため息までついていました。
ははーん。
見れば首輪が外れ（必死に引っこ抜いた／火事などいざと言う時逃げられるように、がっちり締めていない）、部屋は異様な臭いです。ああ、自分の普段の居場所から一番遠い場所の、緞子のカーテンと敷物に粗相がしてありました。カーテンはすぐバケツの石鹸液に浸し洗って自然乾燥。雨続きだったので、今日やっと乾きました。
成長期の育成環境が悪かったせいで、腸が時々弱いので、仕方がないけど…。

護摩猫。
ええ、あなたは老いたとは言え、たぶん森一番のハンターです。昨夜も可愛い可愛い野ネズミを、生きたまま無傷で持ち帰り、家の中に放してくれました。逃げ込んだ家具の後ろから、虫取り網でネズミを掬い出し、戸外へ逃がしました。あら護摩、私に怒ることないでしょ。私の方がネズミにキィ〜って文句を言われたじゃないのっ！

銀鈴猫。
育つ時に栄養失調だったのか、要するに「ちんちくりん」な体型です。腸にも問題が有るようで、これも粗相をしがち。以前に虐待を受けたせいで気が短く荒いので、何か気に入らないと、自分のベッドもトイレもひっくり返しめちゃめちゃにすることが度々。昨日もでした。だって、雨降りは私にはどうしようもないんだけど。もう、頼むよ〜。

でも、平和で幸福なの、私は。犬めぇ猫めぇって、こんなこと言ったり書いたりしていられるなんてね。
ありがたい。

今月に入っても、なかなか研究書を読む気力（がっくり、だるい＜更年期とのこと）が持てず、時間も取れなかったけれど、今朝は雨と気圧が上がったせいか、それをすることができました。これもありがたい。

古い文具

古い文具、ウチにはいっぱい。色鉛筆やパステルの類も50年、新しいのでも20〜30年経っています。けれど、フランスやドイツの製品は優秀で、未だに美しく使用できます。なのにこの間バ−ゲン処分品の中に、打ち捨てられたようなSTEAEDTLERの水彩色鉛筆（上のドイツ製品。フランスのより硬い感じが私は好き）を見つけ、半額だったしつい購入してしまいました。
この水彩色鉛筆の下の机（と言うか、板。スチールの脚を組んで載せている）だって、もとは表具屋が使っていたのを譲り受けたもので、聞けば百年もの。古くて分厚い板はいい。ウチに来る誰もが、欲しい欲しいとねだっていきます。

スケッチ鉛筆を入れているセルロイドの筆箱も、たぶん60年選手。中の鉛筆だって、30年前のが混じっています。
和綴じの帳面が数冊。少なくとも百年モノ。何も書いて無いけれど、もうこうなると、私などが何か書くのは気が引けます。
和紙と墨。もうこれはわざわざ「寝かせる」もの。

でだ。30年近く昔のシェーファーのボールペン。もう一度使おうと開けてみたら中身に替え芯が無い。なので替え芯を求めようとしたら、ネット上でも何を買って良いかわかりません（子供の時のように丸善が傍だったらなあ）。ったくUSAもんっつーのは、ころころ仕様が変わる癖に、古いことを聞こうとしても誰も知らぬ存ぜぬですよ。一方で、ネット上の日本の文具店は、私のおバカな質問にも我慢強く答えてくれます。だからそのうちわかるでしょ。

そう言えば、昨日未明の地震の夢、あれは夢でなくてホントだったんですね。ベッドの中で「あああ、揺れる〜」と犬や猫の名前を呼んでおりました。

冷たい秋の雨

夕霧に、鹿の群れが黒く沈んでいます。冷たい秋の雨。犬の散歩で手が凍えます。
今年は夏の気温が高かったおかげで、野葡萄はじめ木々の実りが威勢良く、いずれもたわわに実をつけています。小鳥やリスが喜んでいるでしょう。普段の年は、やっと１、２輪のホトトギスの花も、今年は図鑑のようにずらりと咲き並びました（草刈りをしないため、あまりに草が茂って２m先のその花に辿り着けず、よって写真は無し）。

私は暖房はまだカーペットだけで節約です。長年愛用して来たカシミアのカーディガンを、この春までに３枚も着潰してしまったので、今年は何か手編みしたい。ただ時間が無いのよね。

時間も無いけど、体力も無い。さらに資金が、絵の制作の資金が無い。生活費も危ない。体力が有ればもっと働くのになー。
昨日スケッチした、葡萄の甲斐路、４号くらいの絵にして、売ってもらおうかな。はあ、そう言えば私には売り絵と言う手段が有るんだった。売り絵を軽蔑する訳でも避けている訳でも勿論無いのですが、この数年は体調のことも有り、しばらく売り絵を作っていなかったので、ホントぽかーと忘れていました。
うう、やろうかな、やっぱり。

息が白い

夕方の散歩では、人も犬も吐く息がもう白いのでした。山は一気に秋になりました。シャツ１枚では身体が芯から冷えびえします（着なさいってば！）。方々の家でも暖房を始めたようで、我家も昼間から暖房カーペットにスイッチを入れました。猫が大喜びです。

午後は夏物の衣類を片付けたり、扇風機をしまったり。ついでに階段下の物入れなども片付けました。それを見ていたNIKO犬が、何故だかうしょんぼりうつむいて、うーんと悄気てしまって…声をかけても悲しそう。何か勘違い？（散歩に行ったら忘れたみたいです）。

午前中は久しぶりで少し勉強。数えてみたら、９月はこれまでたったの５日間しか研究書が読めませんでした。母も来たし東京にも２度出たし、体長も崩したから仕方が無い。いや〜ん、せっかくの吉野裕子全集もまだ第１巻。絵だって、本紙の作業がさっぱりできなかった。来月は頑張らなくっちゃー。

機龍、訓練終了おめでとうございます。今後は誇りある予備自衛官として新しい日々を生きて下さい。お仕事も上手く行きますように。