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日本画と手仕事と暮らしの覚え書き
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1月から、木曜深夜(正確には金曜未明)の、フジテレビ・ノイタミナ枠で放映している「墓場鬼太郎 ハカバキタロウ」が、なかなかよいのです。オコサマ向けの勧善懲悪な「ゲゲゲの鬼太郎」とは全く異なる、怖い惨いキツイ苦しい腐った狂った中身が、どこまでもどろ〜とした雰囲気が、むふふ、何とも魅力です。ゲゲゲ〜の以前に創作されたそうで、大人向けの鬼太郎というところかしら。
調べたらいつの間にか公式サイトまである〜。そのうち映画にでもなるかな。原作の復刻版も発売されたらしい。

最近ひょんなことから、昭和30年前後に盛んだったと言う「貸本(漫画本レンタル)」についての本を読んだところでした。ええ?貸本?私、昭和30年代に生まれたけれど、貸本なんて全然!知りません。下町に行けばあったのかしら。墓場〜は1960年から数年、その貸本用として作られた漫画だったようです(物価が現在の10分の1だった頃、賃料は1冊10円)。

墓場から出てきた赤ん坊を見つけた男が、その醜さに驚き、ぎゃっと放り投げたら、赤ん坊は墓石に顔をぶつけて目の辺りが潰れてしまう。だから鬼太郎は左目が潰れているし、ゲゲゲ〜では「オイッ!鬼太郎!」と叫ぶあの目玉の親父だって、もとは鬼太郎の父親の死体からどろ〜と崩れ落ちた眼球に、手足が生えたもの。死体から目玉だけが這い出したと言う描写です。鬼太郎も、狂気を含んだ片目で睨むことはあっても、ニコリともしない。

どうして「目」なんでしょうね。作者の水木しげるは、何故話の中心となる2人の「目」の設定に、こういう条件を選んだのでしょうね。彼の戦争体験は、多くの秀作漫画や手記になって刊行されていますが、その壮絶な経験がなせることでしょうか。
墓場〜は、惨い闇の世界がどこまでも延々と続いています。覚めない悪い夢のよう。なのに何故か見たあとで心が深々とし背筋が伸びる。いい。



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