とぽとぽぽ

とぽとぽぽ、とぽとぽぽ…。樋を伝わる雨滴の音です。暖かい地方の人にはわからないでしょうが、音が、樋から水の音がすることは、ああ、それこそ春の印に違いないのです。

標高1200mを越える高原では、11月には地面も壁も屋根もそして樋も凍り始め、たまに雨が降ったからって、おいそれと融けやしません。こうして４月を迎えて、春雷の洗礼を受けて後、ようやっと樋に水の流れが戻って来るのです。

夜に入り雨になったのです。ほんのり暖かな雨。小春の雨。今日の昼間には鶯の初鳴きを耳にしたし、薄紫の小さなスミレもひと株ふた株目に入りました。林床にはイチゲが白い蕾を横にしています。夕方から朝方まで鹿がたくさん出歩いているし、サギも、森林のせせらぎまで上って来る。大きな水鳥が飛来する季節。最後の氷が融けて魚の動きが良くわかるようになったんだわ。

２ヶ月ぶりくらいでプールに行きました。動きが、特に右足の動きが悪くなっています。歩いたり泳いだりしてみると、それがよく分かって、ちょっと悲しい。