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日本画と手仕事と暮らしの覚え書き
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激雨の昨日と打って変わって、快晴。風が強くて冷たくて寒いです。要暖房。

昼頃に母から息せき切っての電話が有ったのはいいのですが、そして20分以上もしゃべりまくった(母が。あくまでも母が。)のですが、毎度の事で「話が見えない」。

え、えっと〜ちょっと待ってお母様、いったい誰が何をどうするって言いたいわけ?。あのコあのコ〜って。もうただ偉いわねえ、かっこいいわねえ、すてきねえ、かわいいわねえ、頭いいねえ、完璧よねえって、うっとりって…。

は!母はしゃべり始めたら、もう途中で誰が何を尋ねようが制止しようが知ったこっちゃありません。おーい…。

どうやら私の話ではないらしいのだけはわかった(笑)。じゃあ誰の話だろう?と10分ばかり「!!!」だらけの声を聞いておりましたら、可愛い奥さんがバセドウでって言い出して、それでやっと思い出しました。「水嶋ヒロさん」のことね、ママ(疲)。

うー、母は毎度「私が」も含めて「誰が」と言う主語抜きで、しかも順序をめちゃくちゃにくっちゃべってくれる。そのせいで、いつも話が見えなくてオロオロします(笑)。ったく、50年かかっても慣れんわよ。それにしても、もうすぐ喜寿だってのに、よくそんな若い俳優さんのこと知ってるわねえって言ったら、「美しいもの(=母が言うところの優れたもの)は見逃さない」そうで。はいはい。

凄腕の母が見込んだ人や物で、この世に出なかったものは有りません。そうか、この俳優さんはこれから大化けするんだな(いやもうしてるのか?)、と思いました。また母は、彼が年若く結婚した事を褒めていました。私もそう思います。どうせする苦労なら、若いうちから二人手を取り合って共に戦った方がいいものね。

ともかく、楽しみです。TBS土8ドラマ「Mr.BRAIN」のワカメ頭のリンダちゃん、フジのカッコいい執事役と打って変わって、ヘタレで可愛いものね(笑。あ、原稿今日中に出さなきゃ)。

でも、なんでそんなこと母は、今日の電話でわざわざ言って寄越したのか?あーあ、それが結局わからんまんまの娘です(笑)。
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昨日やはり思い立って、夕方から「天使と悪魔」を観に行きました。さんざ歩き回ったローマ、懐かしいな。原作も読んでいますが、話の筋は私は実はどうでも良かったのです。

ヴァチカンは懐かしい。もう何を書いても時効だと思います。法王の執務室には、私はある事情で特別に入れていただいた。映画のはけっこう豪華だった感じですが、あんなだったっけ?もっともっと部屋の空気が澄んでいて、実に簡素で質素だったと記憶しています。
そこに至るまでのヴァチカンのあの廊下や回廊、あの扉、あの天井、あの部屋、あの、法王のエレベーターや椅子や机。奇跡的に遺されている、ああここに有ったのか!と言う絵画や、え!こんなものがこの世に有るのか!と言う、あれやこれや。みな息をしていたような。

今思えば、聖ペテロの殉教を描いた巨大な絵画(印刷物はモノクロの1点しか世界に出ていないと思う)をこの目にした事も生涯の思い出です。あの絵は大きすぎてしかも暗くて全体を見られなかったのに、照明もなかったのに聖ペテロのところだけほんのり明るくて、そのお姿を拝見する事ができました。

あれから20年経ちました。神父はご存命であろうか。どうして私はあの日あの場所に案内されたのかしら。カソリックでもないのに。ヴァチカンでのあの二日間は確かに、私のまわりに、見えなくともいろんな方々がいらしたような気がする。私に何をさせようとしたのでしょう。私はどうしたら良かった。私は何をしてきた。これからどうすればいい。

あの日履いた、おろしたてのTANINO CRISCIの紺のハイヒール。今もその日のまま有ります。もう今の私の壊れた足では履けない。映画の台詞にも有りました。スイスの衛兵たちは、彼らは仕事で立っているのではなく、使命としてそこにいる。彼らの、強く静かな澄みきった美しさ。
ぶつぶつぶつぶつ。

結局新しい作品に取りかかっています。
ちぇ。

だって、ホイって顔が出てきちゃったんだもん、私の頭の中から(オカルトじゃないよ)。描く顔が決まると、あとはダラダラでもグズグズでもなんとか絵は決まって行く…はずです(最大の問題は描く時間が体力が確保できるか否か)。今回の作品の顔が…ふふふ、実は元は男モデルなんですよ。これが成熟直前のいい男、とてもラクに女にデフォルメできます。あそこやここを実寸で2〜3mmいじる(…って言うか、まんま使ってもいけそうなんですが)。はい、今度は私は女を描くのですな。

ボディの方は、過去のでデッサンから持ってくる。描きたい顔はどのボディと合わせると素敵か、そこに言葉が溢れるか、それを判断します。で、ここまでが右脳を使った?いわゆる画家としての創作。ええ、ホントここまでなのよーWWW。

ここから先はPCでの作業です。人体の骨格として顔とボディが間違いなく繋がっているか、破綻が無いか。重力は、ベクトルは。実はちょっとの嘘と破綻が味なのですが、その加減ができるかが才能だと思います。以上、ああだこうだペインティングソフトを使用して、半分アナログで訂正や構築をしていきます。まあそういうことをオートでしてくれるソフトも無くはありませんが、レンダリングが面倒でトロくて何より馬鹿で。

こうしてPCで草稿のほとんどをもの凄ーくイイ加減に作成し、下絵としてもの凄ーくイイ加減に部分ごとに拡大印刷して、それこそ泣きたいくらいイイ加減に本紙に転写。このファジーさが、加減ができない人は作品になりません。
さ、あとはひたすら忍耐の職人仕事。ただただ岩絵具を「紙に置く」技術がものをいうのです。それ以外には有りません。

絵を描くとは、理論と技術の仕事だと思います。世間の常識はその反対みたいだけど、私は直感型の人、文系の人には向かないと思うわ。

あああ、もう。明日映画に行こうと思ってるのにな。
散歩から帰ると、NIKO犬の足やら腹やらを濡れタオルで拭いてやります。室内飼いですからね。それに別荘地は家も人も増えて、道も市街地ほどではなくてもずいぶん汚くなったもの。ともかく、足を拭かせてくれるようになっただけ、NIKOはエライ。中高年になってからの躾だったから、これも覚えるのに半年かかったものね。

まず顔、片側の前足と後ろ足、そして反対側を向かせてその前後足と腹。毎度その順で拭くのですが、今日は私はNIKOに「反対向いて」と命じるところを、ついうっかり「裏側にして」と言ってしまった!(笑)。
その時のNIKOの「え?」と言う顔ったら…裏側って!!犬は二次元かい(爆笑)。いったい何なんでしょうね。NIKOは一瞬戸惑ったものの、ちゃんと反対側を向いてくれました。スマンスマン。

いやもうほんまに、どぉするのん、聞いてへんえ、ワタクシ。え?去年頼んだですって?ンなん、知るかいや。春に書類全部送ったですって?ンなもん、ある訳無いやん。

某美術団体から、50号以上の新作を一枚でいいから貸せとか出品しろとか言われて、できれば100号がいいと言われて、その締め切りまであと一ヶ月ちょいと知って、もう「えええええええ」とのけぞりながら、善人(ははは)のワタクシはちょっと義理も有るしとチビッと後ろめたい思いを抱きつつ、ソッコー言い訳のパターンを列挙し沈思黙考。だって、どうにもこうにも当然ながらなあんにも用意が無い。
で、またぞろ夜逃げしようか、希代の嘘つきになろうか、マジメに考えている今日この頃です。

どっちがラクだろう?(描けよ、とか言わない)。

50号、描こう思ったら、籠りきりでも一ヶ月かかるんですよ?いやですよ。あ、昨日のドラマ「Mr.BRAIN」、脳科学者九十九役のキムタクと新米刑事リンダちゃん役の水嶋ヒロくんが、警察の廊下で「くっつかないでくださいよぉ」「うふ、くすぐったぁいぃん〜」といちゃいちゃ歩いているのがツボでした(笑)〜って、そういうドラマじゃないんですが。でも、「キレイな」男たちがじゃれあってるのって、女性は見るの好きと思うんですけどー。
ね?私、見たいテレビもDVDも映画もいっぱいあるし、お食事にも誘われてるし、今は制作なんて、いやいやいやいや。

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