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日本画と手仕事と暮らしの覚え書き
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もう、殆ど手首は大丈夫です。心配かけてごめんなさい。お気づかいありがとうございました。
さっそく4号F(33.3×24.2センチ)に葡萄の甲斐路と蜻蛉を描くことにしました。昨夕から今日にかけて作業しました。
小さな絵、うんと久しぶり。
(あ、買い物と振込みにも出かけました。肉魚は冷凍したのが有るけど、野菜が…冷蔵庫の中はもうタマネギ1個だったの)

背景は金箔にします。アジアの絵画や彫物では黄金色は、「有って無い色」。時間や空間が現実にとらわれないこと、または現実とあの世の境にあることを意味します。キンピカギラギラお金持ちを意味するのではありません。

1、まずPCに葡萄などのスケッチを取り込みます。Painterなどのソフトで、スケッチの大きさやポーズの矯正などを施し、プリント。
2、次に、そのプリントに半透明のマスキングシート(下部A)を貼付けます。輪郭に沿って丁寧に葡萄の形を切り抜きます。マスキングシートからプリントを剥がします。日本画では、このマスキング作業やマスキングシートを「面ぷた」と言います。
3、ドーサ引き(下部B)の本紙の予定の位置に、上の面ぷたを貼付けます。
4、金箔をあかし(下部C)ます。
5、左上からドーサを金箔1枚分程度塗り、金箔を置きます。金箔を数ミリ程度ずつ重ね(箔あし)ながら、マスキング部分の端にもかかるようにしつつ、背景全部に貼り込みます。
6、乾いたら再度金箔を貼り重ねます。この方が費用は倍でも美しいし丈夫です。金箔は非常に薄いので、何となく透けた感じがあるし、何より少し触れても傷ができてしまいます。神業的な金箔貼りをする表具屋ですら「2度貼りしますよ」と言っています。
7、乾くのを待って(一晩程度)マスキングシートを剥がします。
8、画面全体に、普段の7倍くらいに薄めたドーサを引いて(塗って)、金箔を保護します。

A、今一番優秀なマスキング紙と思うのは、ドイツのオーカル社製「AIRTEX マスキングシート」です。和紙製品。天然ゴム製の接着剤は実に程よい接着&剥離加減。透過率も良く、切り離しも毛羽立ち無くクリアで、扱いやすく丈夫です。繊細な本紙にもなんらの影響もありません。ステンシルやエアブラシを使われる方にもお勧め。

B、ドーサを塗ること。引くとは平らかに均等に塗り拡げること。ドーサは膠液に明礬を混ぜたもの。分量?この大雑把なアタクシに何を聞くか。ンなもの天気でいくらでも変わるし、経験だけが頼り〜って、まあ、明礬の分量は舐めて舌が軽くピリッとするくらいがいいかな。

C、「あかし」とは、金箔の束(純金箔は10枚単位)から、一枚一枚「あかし紙」に金箔を移す作業です。要、根気と熟練。風や埃は大敵です。よって窓は閉めきり、犬猫は別室か外に隔離、冬でも暖房をしません。昨夜と今日使ったのは金94.4%、銀4.93%、銅0.66%の最もスタンダードな純金箔。断切(機械切断)。色は4号。109mm角。厚みは一万分の1ミリ。金箔の滓は捨てたら勿体無い!集めて「砂子」として瓶などに保存します。
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無題
葡萄と蜻蛉、金箔・・なんだかため息がでるようなすてきな絵になりそうですね。背景に金箔を貼るのがこんなふうな手順だったとは、大変興味深く読ませていただきました。息を詰めての真剣作業ですね。timakoさんの絵を見てみたいわ・・
ワイン 2007/10/10(Wed)18:07:34 EDIT
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