佳い風景

東山魁夷の作品に、「残照」と言うのが有ります。午後遅い光を静かにたたえた、淡い空と日本の山並の、あの絵です。戦後1947年に発表されたもので、千葉や甲州や上越の山々を重ねたと言う想像の風景です。

先日、長野県川上村を尋ねた帰路での事です。川上村から県道２号に入ると、やがて馬越峠と言う、うんと狭くうんとヘアピンな（積雪時に通りたくない感じの）峠にかかります。その峠のヘアピンを曲がり終え、くだりに差し掛かった瞬間だったと思います（間違ってたらご免なさい）。あの「残照」を思わせる風景に遇いました。
おそらく絵と同じような午後の時間、陽光の具合で、ああ、ああ、と何度も感歎したことです。

佳い風景は、たとえ一瞬でも心に深く焼き付いて、心の引出しに大切にしまわれます。佳い香、佳い言葉などと同じく、大切な大切な宝物。悲しい時、辛い時、惨めに打ちのめされても、ふと思い出せば何と言う幸福感。ありがたい。不思議に心が強くなって顔を上げられるんだわ。

ありがとうございます

お気遣いのおことば、ありがとうございます。まことに励みで嬉しいです。

思えば先月末から痛みが現れていたのです。肋間神経痛かと思っていました。痛みのせいでだんだん呼吸が浅くなり、動作ものろのろ力も入らず頭の働きも鈍くなっていました。寸断なく痛かったので、もともと万端鈍い私は痛みや浅い呼吸で動く事にに馴れてしまい、ハアハア歩く姿はまるでお婆さんのようだったかも。
この月曜日に機龍が病院へ行くよう勧めてくれなければ、まだ見ない振りして我慢して、ちょっと酷い事になっていたかもしれません。

薬のお陰で、以前のように深々と呼吸ができる。まあその気分の良いことったら！何か前より元気です。息切れせずに階段が上がれます。
しかしながら、医者も周囲も油断大敵だとか気長に養生をと言うので、無理は避けます。早く寝ます。暖かく着込みます。ジミジミにマジメに暮らします。はい。

強い薬だこと

帯状疱疹は、昨日は患部付近の広い痛みと、強い薬のせいか息切れや動悸で辛い思いでした。一晩休むと痛みは薄れ、今は皮膚患部がチリチリする程度。薬をきちんと服用して、血中濃度を保つようにしています。薬はよく効くけれど、ちょっときついかも。しかし高価な薬です。２種類の飲み薬数日分とゲンタシン軟膏で７千円超えました。

病気になったところで、この不景気の最中、嫌みを言われはしてもストレスが減るでもなく、家事や仕事を休むこともできない。疲れて免疫力の弱った心身には、却って負担は増すわけ。どうしようもない。でも無理はせず、ただ地味に日を暮らします。

野も山も越えられませぬ

過労による帯状疱疹と診断されました。一週間程前から、右胸部から背中にかけて赤い筋ができ、夜も眠りにつけぬ程痛かったのです。湿疹か虫刺されかと思っていました。医師はこれからは心労や過労にならないようにと言います。
はー、これでは、野も山も越えられませぬ。もちろん仕事どころではありませぬ。今しばらく休養を心掛けまするるるるる。

野越え山越え5000年前です

日曜日、家に居てもナンダカナ〜。と言う事で、ドライブに。空は快晴、懐かしい「山下達郎」のCD。

まずは小淵沢で中華料理のランチ。海老のシュウマイやマヨネーズ和えはなかなか美味でした。機龍は海老が好物なのです。
その後141号線を北上し、南牧村を抜け、千曲川に沿って川上村へ。川上村は幻（近年復活した）の「川上犬」でも有名です。その後、地図に有った「大深山遺跡」へ。

この「大深山遺跡」は昭和28年に発見、30年代に何度か発掘調査され、国の史跡、文化財に指定されています。今も縄文時代当時のままの炉の石組などが見られるようになっています。縄文時代中期とは4500〜5000年前。うっすら雪や氷に覆われた深い林の中、冷たい風に吹かれて5,000年前を目にしていると、わはは、自分の悩みなんか、小っさ〜いものに思えてきます。