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日本画と手仕事と暮らしの覚え書き
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バラとオダマキ、花が遅いような気がしていたけれど、先日から急に咲きそろいました。気温が一気に上がって、昼間は真夏のように蒸し暑い感じでしたもの。

ノバラは暗い薮で星のよう。ドッグローズは百程も花開きました。なのにあいにくの雨。蜜蜂たちも働きにくいでしょう。雨間を縫ってがんばれがんばれ。晩秋の真っ赤なローズヒップを楽しみにしているわ。

オダマキは、すっかり珍花になった赤花(渋いえんじ色で茶席に好適)の株が自然に増えてくれています。一番早かった花を描こう種子を採ろうと、楽しみにしていたのですが、がっかり。今朝見たら花は引きちぎられていました。庭に何者かが侵入した跡が…庭の真ん中なのに。侵入されないよう、庭中草茫茫にしてあるのに。怖い。人間ではありませんように。それにしても、ちょっと歩きよく刈ると、途端に入られます。

ところでオダマキの花は、キリスト教圏では15世紀くらいまで、キリストの霊性を表すものとされ、古くは7輪の花が描かれました。葉が三つに分かれているため、三位一体の象徴ともされたそうです。また聖母マリアがキリストの死を悲しみ、その落涙した場所に生えたと言う話も読みました。

以上を踏まえてオダマキは、かつては聖母子像を中心とした宗教画に描かれる高貴な花でした。ルーヴル美術館の「岩窟の聖母」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)の、聖母子の背後にもオダマキは描かれているそうで、でも私が昔日に見た時は、その知識も無く、ルーヴル美術館には一ヶ月も通ったのに気がつきませんでした…無知は悲しいの見本。

そのオダマキの花も、何故か16世紀になるとキリスト教絵画に見られなくなり、シェイクスピア(1564-1616、前に「人殺しいろいろ」と教わった^^;)が活躍する頃には、不倫、嫉妬、忘恩など、まあろくでもない意味が付いてしまいました。オダマキの英名Columbineは、ラテン語で「鳩のような」という意味で、花の形が飛んでいる鳩に似ていることから名づけられようです。また「寝取られ男」の意味も。

「ハムレット」では、狂ったオフィーリアがオダマキを人に渡す場面が有ります。おおここに「不義密通」の意味が。シェイクスピアはその筆力で、それこそたくさんの花と花言葉を利用し、作品に登場させています。劇的な場面がより美しく恐ろしく印象的になるように。
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無題
西洋では、花はシンボリックに表現されることが多いですね。バラ、ユリ、オダマキ、スミレ、どれもキリスト教圏ではなにがしかの意味を持たされている花で、それを知ってから絵を見ると、知らなかったときとは全くちがう秘められた意味がわかったりして、それが面白いです。でもたまに思うのです、もっと素直にあるがままに花をめでる日本人の感性の方が、自分にはしっくりくるかなって。
ワイン 2008/06/23(Mon)18:48:35 EDIT
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